「かっぱえびせん」の由来とは!命名の経緯と歴史のご紹介

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SAITO
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こんにちは。由来系ライターのSAITOです。

 

今回のテーマは、累計販売数約64億袋と発売から50年以上愛される日本のお菓子、カルビー「かっぱえびせん」の由来です。

 

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かっぱえびせんの由来

 

えびせん」は、そのまま海老のせんべいの略です。

 

「かっぱ」の部分の由来は、かつての人気漫画『かっぱ天国』(清水崑,週刊朝日)の”かっぱ”という語感の良さに影響され、ネーミングに採用されました。

 

かっぱえびせんのルーツを辿ろう

 

かっぱえびせんは50年以上の歴史があり、一口では語り尽くせません。そこで、いくつかのポイントに分けてわかりやすく解説していきます。

 

なぜ「エビ」を使ったのか

 

かっぱえびせんの”えび”のルーツは、カルビー創業者・松尾孝氏の大好物「エビのかき揚げ」とされています。

 

エビのかき揚げ。美味しそうです

 

彼は広島出身で幼少期は「川エビ獲りの名人」と呼ばれていたとされます。自宅近くを流れる太田川では川エビが獲れ、この川エビを持ち帰ると母親が「エビのかき揚げ」を作ってくれました

 

その「エビのかき揚げ」の味が忘れられなかったためか、父の事業を継いだ松尾は「エビのかき揚げを作ったお菓子はきっとおいしくなる」と信じて、広島の工場で商品の開発を始めます。

 

SAITO
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広島の工場のことや「カルビー」の由来についても合わせてどうぞ。

 

 

前代未聞「小エビ」でお菓子作り

 

広島県内の瀬戸内海では小エビが大量に獲れたため、海辺の漁村では小エビ天日干しされている光景が見られたとされます。松尾はこの小エビをお菓子に利用できないかと考えました

 

当時の瀬戸内海産小エビは市場に流通しておらず、漁村で消費される程度でした。その小エビを原料とするため、他の誰も手に付けていない未開拓の資源となります。しかし、未開拓ゆえに小エビの製法も確立されていませんでした

 

松尾は獲れた小エビに「茹でる」「粉末にする」などあらゆる加工方法を試します。しかし、なかなか納得のいく味になりません。最終的にたどり着いた答えが小エビを殻ごとすり身にする製法でした。

 

SAITO
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すり身にすれば、風味を逃がさずにお菓子の中に閉じ込めることができます。調味料は子供の頃に食べたエビのかき揚げと同じ、「塩味」になりました。

ジトメちゃん
ジトメちゃん

かっぱえびせんの「えび」と「塩味」にはそんなルーツがあったんだ。

 

かっぱえびせんの元祖「かっぱあられ」誕生

 

商品開発当時はまだ戦争から間もなく、食糧難の時代でした。そのため、松尾は「人々がお腹がいっぱいになる食べ物を届けたい」という気持ちで、新商品を開発しようと決意します。

 

腹持ちの良い食べ物と言えば、米や麦などの炭水化物です。

 

しかし、当時の日本では、「食糧管理制度」という制度が存在しており、国内の米や麦などの食糧は国が管理していました。ゆえに、米の価格は高めに設定されており、米の入手は困難だったのです。

 

ただ、小麦であれば米国産が安価でかつ自由に入手できました。そこで松尾は試行錯誤の末、小麦粉から「あられ」を作る技術の開発を成功させます。

 

あられ

 

SAITO
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あられは本来、米から作った餅を適度にカットして、火で炙ったお菓子です。これを小麦粉で作ろうとしたわけですね。

ジトメちゃん
ジトメちゃん

相当な苦労があったはず・・・。

 

こうして誕生したのが1955年(昭和30年)に発売された「かっぱあられ」という商品です。小麦でできたあられのお菓子でした。

 

SAITO
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”かっぱ”のネーミングの由来は、先述の通り、週刊朝日に連載されていた清水崑の漫画『かっぱ天国』に由来します。パッケージには清水崑画伯のかっぱのデザインが採用されています。

ジトメちゃん
ジトメちゃん

1953年(昭和28年)に連載を開始した人気漫画で、後に子供向けテレビ番組として放送され、キャラクターがCMに使われるなど流行となりました。

 

かっぱえびせんのヒット

 

その後「かっぱあられ」はシリーズ化され、1963年(昭和38年)にエビ入りスナック「かっぱあられ味王将」スティックタイプ「かっぱの一番槍」が発売されています。

 

翌年の1964年(昭和39年)に、この「かっぱあられ味王将」と「かっぱの一番槍」の両方の特徴を合わせた「かっぱえびせん」が販売されます。かっぱあられ27番目のシリーズ商品です。

 

サクサクとした食感、エビ風味と適度な塩加減が消費者の心をつかみ、発売からたったの1年でカルビーの商品の中で売上1位となる爆発的ヒットを記録、その後も毎年倍増で売上が伸びていきました

 

「やめられない、とまらない」誕生の瞬間

 

「かっぱえびせん」と言えば「やめられない、とまらない♪」というCMのフレーズですよね。初めてCMで流れたのは1969年(昭和44年)のことで、後に流行語となりました。

 

このフレーズは、実はカルビーではなく東京の広告代理店が考案してものとされています。カルビーは広告代理店にテレビCMの制作依頼を行いました。

 

CM制作の担当者はかっぱえびせんをつまみながら、CMの企画を練っていたところ、2袋を開けようとした瞬間に「思わず手が出る やめられない とまらない」といったフレーズを思いつきます

 

このフレーズは採用されることになり、当時カルビーの本社があった広島・東京でCMが放送されます。その後、広告代理店が代わり、このCMをベースにした拡大版が放送されると、かっぱえびせんはたちまち大ヒット商品となります。

 

かっぱえびせんのその後

 

  • 1981年(昭和56年):パッケージが現在のシンボルカラー「赤」になる
  • 1985年(昭和60年):パッケージがアルミフィルム製になる
  • 1999年(平成11年):「やめられない、とまらない」のキャッチフレーズがパッケージに含まれる
  • 2002年(平成14年):エビのイラストの真ん中になる
  • 2007年(平成19年):26年ぶりにパッケージを一新
  • 2014年(平成26年):かっぱえびせん発売50周年

 

こうして現在のかっぱえびせんに至ります。

 

 

 

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