こんにちは。由来系ライターのSAITOです。
今回のテーマは「けんちん汁」です。
けんちん汁の由来:2つの説
けんちん汁の由来には、「建長寺」に由来する説と「巻繊(けんちん)」に由来する説の2つの説があります。
まずは「建長寺」から見ていきましょう。
建長寺に由来する説
けんちん汁は、神奈川県鎌倉市にある「建長寺(けんちょうじ)」で作られた汁物に由来するという有名な説です。
「建長寺で作った汁物」が「けんちょう汁」となり、「けんちん汁」となまっていったと考えられます。
この説には続きがあり、けんちん汁に「崩れた豆腐」を入れる理由について語られています。
建長寺の僧侶が精進料理を作っていたところ、僧侶が誤って豆腐を落としてしまいます。しかし、寺を開いた大覚禅師様が豆腐を拾い集めて洗って汁の中に入れました。
このように、落とした豆腐でも生かして使うべしという教えから、建長寺では豆腐は現在でも、もみ潰して崩してからけんちん汁に入れるとされています。
豆腐の入れ方に関しても様々ないわれがあります。
例えば、700人もいた修行僧に豆腐を平等に分け与えるために揉み潰したという説もあるみたい。
また、けんちん汁に入れる野菜は乱切りとされることが多いですが、これは建長寺で食べ残しや調理で残った「残菜」を生かした料理であった名残といわれています。
巻繊(けんちん)に由来する説
巻繊(けんちん)とは、中国から伝わり、日本化した精進料理の一つです。中国の巻煎(チュワンチエン)が変化したものとされます。
この巻繊は、大根や椎茸といった野菜のせん(繊)切りと崩した豆腐をごぼうと炒めて、ゆばや油揚げなどで巻き、油で揚げてから煮て味付けする料理です。
これがさらに変化し、大根、ニンジン、牛蒡、椎茸、キクラゲなどのせん切りと崩した豆腐を油で炒め、だし汁を加えてしょうゆで味付けした汁物が「けんちん(巻繊)汁」と呼ばれるようになったという説もあります。
「建長汁」「巻繊汁」どちらが正しいのかは分かっていないんだね。
2つの説をつなげて、中国から伝わった巻繊を建長寺で「建長汁」として有名になり、日本に広まったという説も考えられますね。憶測でしかありませんが😅
約60kcalでおいしいけんちん汁のレシピ
ヘルシーなけんちん汁のレシピ(1人分)のご紹介です。
- 水切りした木綿豆腐:20g
- 里芋:20g
- 大根:20g
- ニンジン:10g
- 牛蒡:10g
- こんにゃく:10g
- 生しいたけ:5g
- ネギ:5g
- 油:小さじ1/2(2g)
- 塩 1g
- しょうゆ:少々
- 酒:少々
具材を調理していきましょう。
- 里芋を5mm程度の厚さで切り、大根、ニンジン、しいたけ、ネギは一口サイズに切る/牛蒡は水にさらしておき、里芋とこんにゃくは下ゆででする
- 両手鍋に油を熱してからネギ以外の具材を炒め、豆腐を崩して入れたら、炒めつつ塩を少々加える
- ここにだしを加えて煮込み、野菜が十分煮えたら、しょうゆと酒で調味し、ネギを加えてひと煮立ちさせる
けんちん汁の完成です。