【七草粥の由来・種類】絶対に知らない歴史を3分で解説

食べ物

こんにちは。由来系ライターのSAITOです。
今回のテーマは正月疲れを癒やしてくれる「七草粥」の由来。

 

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七草粥の由来:春の七草から

 

七草粥の由来は「春の七草」です。
春の七草はこちら。

 

  • セリ(芹)
  • ナズナ(薺)
  • ハハコグサ(ゴギョウとも)
  • ハコベ(繁縷、蘩蔞、ハコベラとも)
  • ホトケノザ(元宝草)
  • スズナ(菘)
  • スズシロ(蘿蔔)

 

以上7種類を用いて、作った粥を七草粥と読んだのが始まりです。

 

なぜ春の七草を冬に食べるのか

 

春の七草をなぜか1月7日の正月に食べますよね。
春の七草を売るスーパーもハウス栽培のない時代になぜ春の食物を食べたのか。

 

その理由は暦(こよみ)のズレです。旧暦の1月7日は現在の新暦とズレがあり、新暦では1月下旬から3月上旬となることが多かったのです。

 

元旦の雪原では困難ですが、この1月下旬から3月上旬となれば雪解けもみられ、野に出て春の七草の収穫も可能になります。

 

現在の七草粥は正月明けの食べ物ですが、古くは春の食べ物だったのです。

 

「1月7日に七草粥のワケ」に中国

 

七草粥を食べる文化は、元々古代中国で始まった慣習でした。この慣習は、中国の暦「五節句」の一つ「人日(じんじつ)の節句(1月7日)」に、一年の健康を願って七草粥を食べるというもの。

 

ジトメちゃん
ジトメちゃん

「端午の節句(5月5日)」「七夕(しちせき・たなばた/7月7日)」も「人日の節句」と同じ五節句の仲間です。

SAITO
SAITO

残り2つは3月3日の「上巳(じょうし)」、9月9日の「重陽(ちょうよう)」となります。5つ合わせて五節句となります。

 

 

この「人日」とは文字通り「人の日」とされ、人を占うための日でした。

 

 

他にも、1月7日は古代中国で官吏になるための採用試験が行われていたため、7日の朝に立身出世を願って食べたという説もあります。

 

SAITO
SAITO

「人を殺さない日」という説もあるのですが、情報の出所がよくわかりませんね。

 

中国では「七種菜羹(しちしゅさいこう)」と呼ばれていた

 

中国では「七草粥」ではなく、「七種菜羹(しちしゅさいこう)」と呼ばれていました(『荊楚歳時記(けいそさいじき)』)。この「菜羹」は野菜の汁物を指します。

 

ゆえに、七種菜羹は「七種類の野菜の汁物」となりますが、残念ながら具体的にどんな野菜が入っていたかは不明です。

 

日本伝来は平安時代!最初は穀物メインだった

 

日本に七種菜羹を食べる文化が伝来したのは平安時代(794~1185年)頃です。

 

日本には元より、1月頃に若菜を摘む宮中行事があり、この風習と中国の風習が合体して「七草粥(七種粥とも)」が誕生したとされています。

 

当時の七草粥は野菜ではなく、以下の7種の穀物で作られていました。

 

  • 米・アワ・キビ・ヒエ・ミノ・ゴマ・アズキの7つ

または

  • 米・大麦・小麦・アワ・キビ・ダイズ・アズキの7つ

 

現在の七草粥(セリ・ナズナ・ハハコグサ・ハコベ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ)となったのは、鎌倉時代(1185~1333年)以降といわれています。

「七草」は元々朝廷公認の食べ物?

 

七草粥は平安時代に伝わりましたが、当時は朝廷が儀式的に食べていた食べ物でした。

 

延喜年間 (10世紀頃) から朝廷で儀式化し,それが民間でも今日まで伝えられてきた。

 

庶民の間でも伝わっていたことも分かりますが、正式に庶民の行事と定められたのは江戸時代に入ってからとされています。

 

七種や若菜の行事は(中略)江戸時代には五節供の一つとして公式に定められた

 

「五節供(ごせっく/五節句)」とは、1月の人日・3月の上巳・5月の端午 ・7月の七夕・9月の重陽の年5回のタイミングで季節の食べ物を神に捧げる庶民の儀式です。

 

1873年1月に制度としては廃止されましたが、現在でも「七草粥」「端午の節句」「七夕」と五節供の名残があります。

 

春の七草の意味・効能【画像付き】

 

 

それぞれにどのような意味(いわれ)や効能があるのか見ていきましょう。

 

セリ

 

 

セリ科の多年草。

 

競り合って生えている様子からセリの名が付いたとされています。カロテンを多く含むため、粘膜や皮膚・内臓の細胞を強化する働きがあり、正月で消耗した内臓を癒やしてくれます。

 

ナズナ

 

アブラナ科の二年草。花の形が三味線のバチ(撥)に似ており、まわすとペンペンと音が鳴るので「ぺんぺん草」と呼び親しまれてきました。止血や下痢止めの効果が期待されていました。

 

ハハコグサ(ゴギョウ)

 

キク科の二年草。

 

若い苗の葉は「餅草」として餅などに入れて食べられてきました。ハハコグサ(母子草)の名称も、3月3日に備えた「母子餅」に使用したことに由来しています。咳やのどの調子を整えてくれます。

 

ハコベ(ハコベラ)

 

ナデシコ科の二年草。
はこべの語源は「はびこる(蔓延る)」から「はこびる」「はこべら」に転じて「はこべ」となった説が有力です。

 

身体の調子を整え、皮膚炎を防ぐ目的で用いられました。古くは「ハコベ塩」として指に塗って歯を磨き、歯の病気を防ぐ目的で使用されるなど「元祖歯磨き粉」としても有名です。

 

ホトケノザ

 

ホトケノザはシソ科の二年草ですが、春の七草が指すホトケノザはキク科の「コオニタビラコ」という別種の植物とされています。胃の健康を保ち、食欲増進が期待できる植物です。

 

スズナ

 

スズナは現在の「カブ」の別名です。こちらも体調を整えてくれる働きがあり、古くより重宝されてきました。

 

スズシロ

 

 

大根のことです。すがすがしいほど白い根を持つことから「スズシロ」と呼ばれていたとされています。
アブラナ科の二年草で古来より日本人の健康を支えてきました。

 

【「おせち」の由来】由来系ライターが簡単にご紹介!【まとめ】
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