【「門松」の由来・語源】3分で門松のすべてが分かる記事

慣習

こんにちは。由来系ライターのSAITOです。
今回のテーマは正月に飾る「門松」です。

 

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門松の由来:神が訪れる際の目印

 

門松の由来は、正月に「歳神(としがみ)」を招き入れるために門に飾られた道具です。

 

歳神とは、正月に訪れる神様で、その一年の豊作や幸福を見守ると信じられてきました。歳神がやってくる方向を恵方(えほう)と呼びます。

 

SAITO
SAITO

人々は一年の無事を祈って正月に神様が宿る目印「門松」を設置したということですな。

ジトメちゃん
ジトメちゃん

恵方巻きを食べる向きはこの歳神がやってくる方向のことを指すわけだね。

 

門松に使用する木は松の場合が多いですが、松以外にも使われてきました。例えば、

 

  • 松:メジャー
  • 椿(つばき)
  • 榊(さかき)
  • 樒(しきみ)
  • 椎(しい)

 

SAITO
SAITO

いずれにせよ、年中緑色の葉を保つ「常緑樹」という共通点があります。一説によると「常緑の松に神が宿る」とされており、松に似た常緑樹を利用するようになったと推測できます。

 

松がメジャーになった理由は「松竹梅」で「松が縁起が良いとされたため」であり、同じ理由で竹を利用するケースも増えたとされます。

 

ジトメちゃん
ジトメちゃん

「松」を「祀る」と捉え、縁起担ぎの意味で松を使い始めたという説もある。

 

また、現代において、門松に松や竹、南天を使用する理由は以下の通りです。

 

  • 松:「神待つ(松)木」として歳神を呼び込む
  • 竹:「まっすぐ伸びて折れにくい」
  • 南天:「難を転ずる」

 

このように、縁起担ぎの意味で用いられています。

 

SAITO
SAITO

南天は赤い実を付ける植物です。

 

 

門松はいつから始まったのか

 

門松の起源は中国にあると考えられています(『日本風俗史辞典』)。

 

平安時代頃には、「小松引き」として、宮中行事として正月に野山に出かけ、小松(小さい松)を引き抜き、長寿を祈ったとされます。

 

また、この際に同時に行われた「若菜つみ」が後に「七草粥」の文化を生み出したとされています。

 

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門松が誕生した正確な時期はわかっていませんが、門松の設置は平安時代の末、鎌倉時代の初め頃(12世紀末頃)にはすでに行われていました。

 

この門松の設置の慣習が庶民に広まったのは江戸時代になってからであり、幕府や武家、庶民の間で門松が立てられるようになりました。

 

門松にまつわる「徳川家康」の逸話

 

1573年(元亀3年)に起きた「三方ヶ原の戦い」で家康軍は武田軍に完敗してしまいました。

 

家康はその悔しさから「次は武田(竹)を斬る」として作らせたものが「そぎ(竹を斜めに切ったタイプ)」の門松です。

 

これが後に徳川家臣団に広がって、江戸時代には庶民の間にも広がったという逸話があります。

 

門松の準備から飾り方まで

 

年内には準備しておき、正月に飾りましょう。

 

購入前に種類を知る

 

まずはどの種類が適しているか、考えておく必要があります。

 

出飾り

 

「出飾り」2本が内側に向いているタイプです。

 

 

 

「出てほしい」という願いが込められた門松です。

 

  • 子供の自立
  • 結婚
  • 患者の退院

 

このような意味を込めて設置するケースが多いです。

 

迎え飾り

 

「迎え飾り」2本が外側を向いているタイプです。

 

 

「迎え入れたい」という願いが込められた門松です。

 

  • 福や富を迎え入れる
  • 子供を授かる
  • 客が増える

 

出飾り、迎え飾りで悩む際は、「出てほしいのか」「迎え入れたいのか」で決めましょう。

 

スーパーなどで売っている略式の門松

 

形式的な門松以外にも、「ミニ門松」「アレンジ門松」といった略式のものも存在します。
小型であることが多いため、スペースの都合を気にする方はこの略式を選びましょう。

 

門松は準備する日が決まっている

 

門松は12月13日に準備します。この日は門松を準備するための日として「松迎えの日」とされています。ゆえに、13日に購入しに行きましょう

 

SAITO
SAITO

門松の設置をスケジュール化してみました。

 

※設置期間は地域ごとに異なります。

 

SAITO
SAITO

29日は「二重苦」と読めるため、忌み嫌われており、31日は一夜だけ飾るのは誠意が足りないとされ、設置は避けた方が良い日となります。

ジトメちゃん
ジトメちゃん

設置して良い日は13~28日、30日。中でもクリスマス後の26~28日頃に飾る方が多い。設置期間は次章「設置期間は元日~4,7,15日まで」で紹介するよ。

 

また、門松は神聖な飾り物です。そのため、保管する際は「清浄な場所」に保管しましょう。

 

清浄な場所とは「神棚」を指すとされますが、神棚がない場合は、目線より高く明るい位置に置きましょう。

 

ホコリをはらった家具の上が望ましいですが、背の高い家具がない場合は、内壁に引っ掛けておく、テープやワイヤーで止めておいても良いとされます。

 

飾り方

 

門松が2つある場合は、家の門・玄関に左右1つずつ飾ります。

 

その際に雄松・雌松の違いを見分ける必要があります。玄関に向かって左側に黒っぽく固くて長い「雄松」、右側に赤っぽく柔らかく短い「雌松」が基本です。

 

門松が1本だけの場合は、左右どちらでも構いません。実際に通る方の妨げとならないように飾りましょう。

 

設置期間は元日~4,7,15日まで

 

地域によって差はありますが、多いのは以下の3つのパターンです。

 

  • 元日~4日
  • 元日~7日、関東に多い(この期間を「松の内」と呼び、門松をかけておく期間のことを指す)
  • 元日~15日、関西に多い(15日は「小正月」で、本来の正月とされ、「どんど焼き」が行われる)

 

SAITO
SAITO

期間については地域ごとに異なります。最も確実な方法は、自治体の方やお近くの神社・お寺の方に設置期間の目安を尋ねるという方法です。

 

処分方法

 

 

取り外した門松は7日や15日に行われる「どんど」(「とんど」「左義長(さぎちょう)」「鳥追い(とりおい)」とも)で焼却処分となります。最寄りの神社やお寺にお問い合わせください。

 

 

 

 

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